加齢が腸内環境に与える影響は?

家でゆっくりとくつろいでいる時におならが出てしまい、子供から「お母さん(お父さん)のおなら臭い」と言われたことはありませんか?

また、家に帰ってきたら、お腹がはって苦しい・おならが止まらないという経験をしたことがあるのではないでしょうか。

こうした悩ましい状況の原因は腸内フローラにあります。

おならは無臭?

人間が生きている限り、おならはどんな人でも出るものです。

それなのに、「おならが臭い人とそうでない人がいるのはなぜ?」と思いませんか?

おならのうち約70%は食事や会話中、無意識に飲み込む空気なので無臭です。

残りの30%は、食べ物が胃から腸へと運ばれ消化される時に発生するガスです。

この「ガスが臭いのもと」になっています。

人間の腸内には、数百種類、数にすると600兆個以上のさまざまな細菌がいます。この細菌が小腸から大腸にかけて種類ごとのグループを作って、腸壁面に生息しています。

その状態を顕微鏡で覗くと花畑のように見えるので、『腸内フローラ』と呼ばれています。

本来、健康な状態であれば腸内フローラは一定のバランスを保っています。

しかし、偏った食事や運動不足、過労、くすり、加齢によって、このバランスは簡単に崩れてしまいます。なかでも、避けることが出来ないのが加齢です。

生まれたての赤ちゃんの腸内を見てみると、そのほとんどを善玉菌を占めています。

離乳食が始まると食べ物などから善玉菌以外の細菌が入るようになります。そして成人になると健康な腸内でも善玉菌の占める割合が20%程度まで減少しています。

これが加齢によってさらに減少し続けると、60歳以降では10%程度まで減ってしまいます。

こうして善玉菌が減って腸内環境が悪くなると、おならの臭いの元となる悪臭性のガスが発生しやすくなります。

40歳前後から「おならが臭い」、「お腹が張りやすい」という悩みが起こりやすいのもこのせいです。

腸内の悪玉菌

腸内の菌の総量は、ほぼ決まっていています。

そのため、一般的には善玉菌が減少すると悪玉菌が増えます。

悪玉菌として代表的なものに、大腸菌やウェルシュ菌、ブドウ球菌などがあります。こうした悪玉菌は、食べ物に含まれるたんぱく質やアミノ酸を餌として活発に動きます。

そして、腸内の老廃物を腐敗させて有害物質を生み出したり、善玉菌の働きを悪くします。

また悪玉菌は、身体の免疫機能を低下させたり、有害物質から発がん性の物質を作り出します。

その結果、便秘や下痢だけでなく、腸の病気や肌荒れなどを引き起こしやすくなります。

悪玉菌を減らして腸内環境を改善するためには、下記のの3点が重要です。

  1. 悪玉菌に餌を与えない
  2. 善玉菌に餌をしっかりと与える
  3. 善玉菌の援軍を送りこむ

悪玉菌の餌となるのはタンパク質ですが、健康を維持するためにも、タンパク質を全く摂らないというわけにはいきません。

善玉菌と短鎖脂肪酸

一方、善玉菌を増やすためには、乳酸菌が多い食べ物やオリゴ糖を含んでいる食べ物、食物繊維をしっかりと摂ることが良いとされています。

特に、オリゴ糖や食物繊維を適量、摂り入れられると、善玉菌が有機物を分解し、腸内で「発酵」という現象が起こります。その過程で作り出されるのが「短鎖脂肪酸」という物質です。

腸内にある悪玉菌は酸性の環境が苦手で、腸内環境がアルカリ性の時に活発に働くのです。

反対に善玉菌は酸性を好み、弱酸性の環境で増えやすくなります。そのため、悪玉菌の活動を鈍らせ、善玉菌を増やすためには、腸内を弱酸性に保つのが一番なのです。

短鎖脂肪酸は酸性の特徴を持っています。

そのため、短鎖脂肪酸を腸内でうまく生成させることができれば、酸性の環境が嫌いな悪玉菌が活発に動けなくなり、善玉菌優位の環境ができやすくなります。

腸内でこの環境が作り出せれば、悪玉菌が原因で起こりやすくなる便秘や下痢、臭いおならにも一役買えるでしょう。

おなかの不調で悩んでいたり、悪玉菌が増えすぎているかもと思った方は、短鎖脂肪酸の元になる栄養素をしっかり摂るように心がけましょう。